ティッセンクルップ・ニューセラの食塩電解技術を用いた錦湖三井化学のクロール・アルカリ工場が稼働開始

2025年6月16日

ティッセンクルップ・ニューセラが、錦湖三井化学株式会社(以下「錦湖三井化学」)向けに実施した、韓国・麗水にあるクロール・アルカリ工場の設計および機器供給業務が完了し、この度稼働を開始いたしました。年間6万トンの塩素製造能力を持つ本工場には、最新世代のe-BiTAC食塩電解槽が導入され、錦湖三井化学のジフェニルメタンジイソシアネート (MDI) 製造設備の増強に寄与します。

韓国の石油化学企業で世界有数のポリウレタンメーカーである錦湖三井化学は、これまで外部調達していたMDI原料の塩素を、この度建設したクロール・アルカリ工場より製造します。MDIは、スパンデックス・TPU(熱可塑性ポリウレタン)・合成皮革・靴・塗料・コーティング・接着剤・各種エラストマーなどの製造に欠かせない原料です。さらにクロール・アルカリ工場では、MDI製造過程で副生品として生成される塩水を再利用します。これにより、錦湖三井化学はコスト効率の高い方法で工場排水に関する厳しい環境規制を遵守しながら、環境負荷の低減を可能とします。

ティッセンクルップ・ニューセラは、錦湖三井化学でのクロール・アルカリ工場建設における技術的実現可能性を検証するため、試験槽設備を用いたパイロットテストを実施しました。その後、同社よりクロール・アルカリ工場全体の設計・機器供給を行うEP契約を受注しました。

「クロール・アルカリ工場の稼働は、これまで外部調達していたMDI原料である塩素の独自供給を確保し、MDIの製造能力増強を図るための重要な一歩です。また当社が環境に配慮した製品の提供に積極的に取り組んでいることを示すことができます。」錦湖三井化学 、Mr. Kwon Hyung Seob

「当社の電解技術は、お客様の製造工程の改善と環境負荷の低減に貢献しています。MDI製造工程で副生品として生成される塩水を、クロール・アルカリ工場の原料として再利用することで、錦湖三井化学および当社はポリウレタン業界における主要な課題の解決に貢献することができます。」ティッセンクルップ・ニューセラ株式会社、代表取締役社長、繁田聡

 

Rita Syre

Senior Manager Media Relations and Financial Communications
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